
私は頭良くなかったし、
家にお金もあんまりなかったので、
中学を卒業して、父の鉄工所を手伝うことにした。
妹はいつも、お姉ちゃんごめんね、
と申し訳なさそうにしていたけど、
妹は勉強好きだったし、大学まで行って欲しかったから、
頑張って働いて、お金を貯めた。
無事に妹が希望の大学に入学できて、
アルバイトも始めた頃、妹に始めての彼氏が出来た。
ものすごくもじもじして、真っ赤な顔で、
お姉ちゃん会ってくれる?と聞くので、
喜んで会うよ、と答えた。
会ってみたら、
まぁ今時の大学生にしたら真面目っぽくて、
黒髪に眼鏡って感じだった。
ちゃらちゃらした人じゃなくて良かった、って妹に言うと、
男らしい人なんだ、って妹は笑ってた。
そんなこんなで半年くらいたった時、
妹がアルバイト代でパーマを当てていいか、と聞いてきた。
そんなの聞かなくてもいいよ、
きっと似合うから当てといで、と答えて、
妹のカバンにお金入れといた。
実際、帰ってきた妹は超かわいくて似合ってたので、
恥ずかしがる妹の写真を撮りまくり、
次の日に同僚に自慢しまくった。
皆、似合うねと言ってた。
でも、家に帰ると、妹が部屋にこもって出て来ない。
鍵はないので無理矢理開けると、布団かぶって泣いてた。
どうしたの、と布団をめくると、
あんなにかわいかったふわふわの長い髪が、
虎刈り状態でぐしゃになってた。
私は血の気が引いて、
ぶるぶる震える手で、妹の頭を触った。
背中の真ん中くらいまであった髪の毛が、
一番短い所で50ミリもなかった。
妹は泣きながら、お姉ちゃんごめんなさい、
と顔をぐちゃぐちゃにしてた。
何とか妹を落ち着かせて、どういうことか聞き出した。
母親大好きな年齢なのにここまで言うなんてよっぽどだよ 主に同情してる人、同情心は…